2023年 新年のご挨拶

2023年1月4日

2023年 明けましておめでとうございます。昨年も皆さまのおかげで沢山の犬、猫達を救えたこと心より御礼申し上げます。

 

2022年の譲渡会では、参加数 犬19匹、猫57匹に対し、犬15匹、猫15匹のトライアルがありました(譲渡会後に個別に譲渡された場合もあるため、トライアル数=譲渡数ではありません)

 

ここで、見て頂きたいのは猫の譲渡会参加数です。
現在、しっぽの会では保護は行っておらず、参加猫は全て、一般の方や他団体が保護した猫です。

 

TNR(ティーエヌアール)という言葉を、聞いたことがある方も多いと思います。
TNRとは、野良猫をTrap(捕獲)・Neuter(不妊・去勢手術)・Return(元の場所へ戻す) することです。
避妊・去勢手術された猫達は、通称「さくらねこ」と呼ばれ、手術されたことが見て分かるように耳をV字にカットされています。

TNRの際、最も気を使うのが
Trap つまり捕獲です。
捕獲できなければ手術はもちろんできません。
皆さんは野良猫に近づいた事はありますか?
稀に自分から寄ってくる人懐っこい子もいますが、大半は少しでも近づく素ぶりをみせると、警戒して逃げて行く子がほとんどです。
捕獲器などを使って捕獲する場合もありますが、何度も同じ猫が罠にかかったり、警戒心の強い子はそもそも罠にもかかりません。

 

そこで、ボランティアさんにお願いし、野良猫が増えている複数のエリアで餌やりをしてもらい、捕獲しやすい環境を作ります。
餌やりというのはとても大変なボランティアで、ほぼ毎日・同じ時間・同じ場所で餌を与えることにより、エリア内の猫を慣らして捕獲したり、数の把握・個体識別などをします。
あるエリアでは、昨年1年間で、捨てられた猫の数が170匹を超えました。
これもボランティアさんが日々、数と個体の確認をしていてくれていることで、分かったことです。

 

一方、そうやって餌をあげるから猫を捨てていくんだと仰る方がいますが、だからといって猫を捨てていいという理由にはなりません。
そこは人間のモラルの問題だと思います。

 

近年、野良猫に餌をあげることにより猫が増えて、近隣住民に迷惑をかけているという、多くの苦情が行政にも入っている為、私達ボランティアと行政が一緒になって、この問題に取り掛かろうとしているところです。

 

野良猫が可愛いのはよく分かりますが、外の世界は自由に見えて、とても過酷です。
台風の時、猫達はどうやって過ごしているのでしょうか?
逆に雨が全く降らない時はどこで水をのんでいるのでしょう?
食べ物は?ケガしたら?
生きている限り、排泄もします。あなたが可愛いからと言ってただ餌をあげているだけの多くの猫ちゃんはどこで排泄をしていると思いますか?

 

外の猫達は、ただ人間が可愛い可愛いと言って眺めているだけのぬいぐるみではありません。
餌やりボランティアさんは、あげた餌の片付けはもちろん、誰かが猫のために置いていったおにぎりやお弁当の残り(猫は食べません)、時にはBBQのゴミまでも片付けてくれています。
それなのに、残飯を捨てているのはお前達だろうとか、野良猫を増やしている、と心無い言葉を直接投げつけられることもあるのです。

 

皆さんが行く公園などにも餌やりボランティアさんがいる可能性があります。
餌やりボランティアさんを悪い目で見る前によく観察して、なぜ毎日餌をあげているのか考えてみてもらえませんか?
過酷な環境で暮らす、飼い主のいない猫をこれ以上増やさない活動に、ご理解とご協力をお願い致します。

 

さて、新年一発目!!の譲渡会は、
1月8日(日) 10時〜12時
場所 運動公園競技場横の東屋
新しい出会いのお手伝いをさせて頂きますので、ご来場をお待ちしております。
本年もどうぞ宜しくお願いします。

しっぽの会代表 犬井