飼い主の所有権

2022年5月22日

劣悪環境で飼育されているドーベルマンを飼い主から盗んだボランティアが逮捕されました。
そのニュース

 

日本の法律では、動物は「物」です。
飼い主の所有物です。車といっしょ。

庭先に放置された車が汚れ放題サビだらけだから、私がきれいにして、新しいオーナーを捜してあげようと、所有者に無断で持って来たら、犯罪になるのは、誰にでもわかるかと思います。
今回の件はそれと同じです。

 

もちろん別に「動物愛護法」という法律もあり、ネグレクトを含む虐待飼育や放棄するのは、これもまた犯罪です。
しかし、犯罪を取り締まるのはボランティアの仕事ではなく、警察の仕事です。

殺人犯を捕まえるのがボランティアの仕事だと思う人はいませんよね?

 

虐待飼育については、警察や保健所などの行政に通報してください。
それを取り締まる権利は、公権力にしかないからです。
よりたくさんの通報があれば、警察も動きやすいでしょう。
それでも飼い主から犬を取り上げる権利は彼らにもありません。
警察や保健所が指導して、より良い飼育に変えさせるか、所有権放棄をするよう説得するか、です。
飼い主が所有権放棄を承諾して、初めて動物を保護できます。

犬や猫が「物」である、という法律が壁になるので、
法律を決める国会議員を選挙で選んでください。
法律を変えなければ、「飼い主の所有権が一番強い」という現状は変えられません。

 

そういう法律や物事の順序を知ってか知らずか、ボランティアに「人の飼い犬を保護しろ」と言ってくる人達がいます。

例えば、飼い主の家の2階にいる犬をどうやって保護するのでしょう?
飼い主が説得に応じなければ、不法侵入で2階まであがり、犬を盗んでこいというのでしょうか?
それは犯罪の教唆です。

ボランティアにはそんな力はありません。
やれば今回のように逮捕されます。

 

どうか法的には飼い主の所有権が最強なこと
虐待は警察に訴えるべきなのを知ってください。

 

道端で拾った犬猫を、すぐに譲渡することも同様の理由でできません。
落とし物の財布を拾ったのと同じです。
すぐ自分のものにしたり、人にあげたら窃盗になります。
必ず警察や保健所に届け出て、まず持ち主(飼い主)を捜します。
しかるべき手順を踏んでから、初めて自分が飼うなり、第三者に譲渡ができるようになります。

 

動物を愛する人々こそ、動物をとりまく法律を知ってください。
それに従わなければ、自分が犯罪者となってしまうからです。